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「六波羅殿家訓」の解説・解釈と重時の人物像

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リビドーロゼ

 

この重時の家訓を一言で言うと、
「他人から『あなたっていい人ね(はぁと)』
と言われることを最上の処世術とせよ」ってことです。

 

これは、重時が息子の長時に与えたものです。
題に「相模守」とあることから、
1237年(40歳)から、
六波羅探題辞任の1247年(50歳)
の間に成立したものと言われています。

重時が連署をつとめるために鎌倉に戻ることになり、
嫡男の長時が六波羅殿北方を継ぐことになりました。
これから重責を担う愛息子(18歳)へのエールだったのかな、と。

武士の日常道徳や生活上の注意点なんですが、
超〜具体的な内容になってます。

幕府において、北条氏はこの頃既に有力御家人をほとんど平らげ
三代執権・泰時の元、鎌倉幕府を盤石に整えつつありました。

将軍はあくまでもお飾りの『幕府の象徴』だし、
京においての朝廷との折衝は六波羅探題の仕事。
重時は幕府を代表する『顔』だったわけです。
その跡を継ぐ息子も「それにふさわしい立ち居振る舞いを」
ってことなんでしょうな。

 

一番最初に書きました通り、この家訓は
「他人から『あなたっていい人ね(はぁと)』
と言われることを最上の処世術とせよ」
って言ってます。

第一条に内容がまとまってましたが、
対人関係においては、他人の思惑や評価に注意をして
『清く優しく美しく、世界のアイドルを目指せ!』
とあります。(嘘です)

全43か条で、
1条
 「アイドルを目指せ!」の心得
2〜10条
 「アイドルは家の中でも気を抜かないようにね♪」の心得
11条から
 「アイドルは見られてなんぼ! 力関係を読んでのし上がれ!」の心得
となってます。(すみません、ひどい嘘です)

よくある「武士家訓」のイメージであるところの
『立派な人格(漢)! 主君への献身(漢)! 文武両道(漢)!』
みたいな男らしい訓示は見られません。

『男(漢)』らしく我が道をひた走るのではなく、
『いい人』として和の道を行け、ってことですね。

 

が、その一方で、シビアな面もありまして
「デビューからの付き人でも、使えないなら適当に干しちゃえ
(代々仕えている家人でも、その器量がなければ大事なことは相談するな)」
とクールに言い放ってます。

そのくせ、「よくよく話は聞いて頷いてやれ」とも言ってるんです。
話だけ聞いて、美しく聞き流せってことですよ。鬼!

表面はたおやかで御しやすいように見えて、
内面ではよくよく人を観察していて、
その器量がないと見るや、蚊帳の外へ。

実はしっかり取りつつ、逆恨みを買うような
無用なトラブルはうまく避ける見事な「事なかれ」主義。

これは物凄く賢い人ですよ。怖い程に。
上辺の優しさや穏やかさに騙された人は一体どれだけいたんだろう。

大抵の平凡な人間は
「話を優しく聞いてくれて、うんうんと頷いて」
くれさえすれば、
コロッと騙されていい気分になります。

でも相手もいい気分、自分もいい気分なら、
別に誰にも害は与えていませんものね。

陰で悪口言ってるわけではなく、ただ
『信用出来る人にだけ相談』してるだけで、
『信用出来ない人には笑顔』なだけなんですから。
確かに素晴らしい処世術です。

施政者とはそういう器量を持ち合わせてないと、
とても勤まらないんでしょうな。

 

普段、真面目で我慢してる人ほど、
お酒の場で失敗をしやすいと言いますが、
重時はどうだったんでしょうか?

「無礼講の時は、その場の人物、雰囲気、適宜に振る舞え」
無礼講の時はそれに合わせて少し羽目を外すのも大事、と。

ただし、
「下卑たる言葉遣いは、人に聞かせてはならん」
とも。

つまり、羽目を外したフリをしながら、
本当は外さずに、ちゃんと注意を配れと言ってるんです。

「見てる人は見てるから気を抜くな」と警告を発してもいます。
権力ある所には間者や告げ口する人はいて当たり前ですしね。

 

脱線しますが、梶原景時は仕事のできる人で頼朝に重宝されてました。
でも御家人達には嫌われてました。

義経のことを告げ口したことが一番有名ですが、
他の人のことも色々探ってはしっかり頼朝に報告してたんです。

梶原景時としては単に頼朝への厚い忠誠心からの行動だったんだけど、
監視役って確かに恨まれるよね。頼朝の死後に村八分にあいます。
秀吉の死後に反感を買った石田三成と同じですね。

その点、北条は上手です。
先の梶原景時弾劾の時も表には姿は現さず
(弾劾状に連名してない)でもしっかり手は打っておいて
伊豆(北条の地元)まで逃げてきた梶原一族を
迎え撃ってしっかり潰してます。

比企滅亡の時も、比企能員を丸腰で呼びつけておいて
斬り捨てて攻め寄せたんだから、

一体どれだけ信頼されてたのか、
油断されてる中を見事に裏切ったのかと思うと
背筋が寒くなるっす。

ああっ!
北条のそういう所が嫌われてるのかっ!(今頃気付く?)

いいの、それでも私は頼朝さんと北条氏が好きスキな数寄者だから。

 

とにかく、重時がうるさく言ってるのが、

  • 相手に恨みを残させない
  • 人に卑しく思われない
  • 人目に立たないように
  • 非難・軽蔑されないように

ってことでした。

「利益を得る得ないよりも、
人に聞かれて大丈夫って方が優先!」
と明言しています。

「人に聞かれても大丈夫」っていうのが
「武士の名誉」ではなく「世間体」ってのが潔いばかり。

  • 身分とかで差別しないこと
  • 自分よりも劣る者を馬鹿にしないこと
  • 得宗家(北条の惣領)とは並ばず一段下がること
  • かなり年下で未熟な得宗に畏まり過ぎはわざとらしいから、それ相応の対応をすること

と、そんなに細かく文書にしなくてもってくらいに説明してます。

  • けっして目立たず、
  • でも自分を殺すばかりではなく
  • きちんと相手を見て、
  • そして他人から見られていることを意識した
  • 立ち振る舞いをしろ

ってことですね。

これらの努力によって、

  • 世間の評判が良くなり、
  • 政治的立場も上がり、
  • 周囲との軋轢が無くなり、
  • 平和で穏やかな生活が手に入る

んですね。

お見事、北条重時!!

 

「六波羅殿家訓」の原文紹介

北条重時という人物(史実・偉業・家系)

北条重時の人物考察と想像(やまの龍流、妄想とも言う)

北条重時の詠んだ和歌へ

 

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