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とかじり小四郎 ―北条義時―24

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『 とかじり小四郎 ―北条義時― 』

 

 だが、それから少しして頼朝はお忍びで江間の館を訪れるようになった。表向きは小四郎と碁を打ちにくるのだが、そうではない。江間の館には八重がいた。

 頼朝の来訪がある日には、小四郎は家人に暇をやり、人目に立たぬようひっそりと裏山で過ごした。山の木立の向こうには海が見え、そして天気が良ければ富士の山が見える。

 伊豆から見ていたのとは形の違う富士を見ながら、小四郎は木の上で書を読んで過ごした。雨の日は濡れそぼりながら伊豆の狩野川で遊んだ日を思い出した。

 同時期、亀の前という女性が伊豆から鎌倉に呼び寄せられ、重ねて寵愛を受けるようになっていた。誰もがその噂で持ち切りだったが、当然、懐妊中の政子へは暗黙での緘口令が敷かれていた。

 八月、政子が男児を産む。待望されていた頼朝の嫡男だ。有力御家人らは皆競って御所や産所で乳母である比企の館へとお祝いに駆けつけ、鎌倉中が賑わった。

 だが産後の肥立ちが無事済み、御所に戻った政子の元を義母の牧の方が訪れて事件は起きた。

 

「まぁまぁ、本当におめでたいこと。立派な嫡男が生まれて良かったわね」

 そう優しげに微笑みながら、まだ子の出来ぬ牧の方はここぞと刃で斬りつけた。

「あなたが出産の間、御所様はきっとお寂しかったのでしょうね。ほら、伊豆でも仲の良かった亀の前殿とよりを戻して随分とお通いになってると聞いたわ。でも、あなたも今度こそ鎌倉殿の嫡男を産んだのだし、正妻として側室をお認めになったのでしょう? これからはゆっくりなされるといいわ」

 過去の頼朝の浮気は政子も知っていたし黙認していた。

「そうそう。今度、殿が宗時殿のお供養にと伊豆に一度お戻りになるの。あなたの分もお線香を上げて来るわね」

 政子は返事をせず、目だけで牧の方を睨みつける。

「ほら、石橋山はひどい敗戦だったでしょう? 殿も御所様もそれを思い出したくないから、ちゃんとしたお墓は建てられないのよ。本当、お気の毒なことね」

 言いながら、ホホホと楽しげに笑う。

「では、ご機嫌よう。伊豆では久々に古奈の湯にでも浸かってのんびりしてくるわ。あなたも鎌倉でごゆっくり」

 派手な着物に鼻につく香を振りまき、牧の方は高笑いして御所を下がる。どうしていいものかとオロオロ怯える侍女達に政子は静かに命を下した。

「牧宗親をここに呼びなさい」

 政子は牧の方への報復として、その父に対して亀の前の住む館の打ち壊しを直接に命じた。

 牧宗親は逆らうことを許されずに手を下し、そして頼朝によって処断される。舅を辱められた時政は怒り、伊豆へと引き上げた。

 

「小四郎、そなたは鎌倉へ残れ」

 時政は怒りで真っ赤な顔をしながら江間の館を訪れていた。

「御所は驕ってるのだ。北条がいなければ困る癖に、よくも私の舅に恥辱を!」

 小四郎は眉を上げた。北条がいなければ困る? 本当にそうだろうか?

「我らは御所の頭を冷やす為に一族引き連れて伊豆に帰るぞ。だがお前は鎌倉に残り、御所をよくよくお諌めするんだな」

 時政は愉快そうに笑うと、小四郎に指を突きつけた。

「また、もし何か問題があればお前が罪を被って自刃しろ。それによって北条は救われる。わかったな!」

 好き放題に怒鳴り散らして満足した時政は足音を鳴らして出て行った。

 

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