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琥珀の龍紋―北条時政―15<アマカケル外伝>

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 菖蒲の前。

 数年前に宮中に現れた鵺を退治して一躍時の人になった源頼政、その側室。

 源頼政は鳥羽院や美福門院の信も厚く宮中への出入りも多くあったので、四郎も遠目にしたことがある。かの源頼光の一門というから、源氏物語の髭黒の大将のような人物かと想像していたが、意外に線が細くおっとりとした人物だった。

 頼政は鳥羽院の女房をしていた菖蒲の前に何度も文を送っていて、鵺退治の褒美にやっと下賜されたのだと言う。

「でも院は意地悪をなさってね。女房を何人も顔を隠して並べさせて『どれが菖蒲か。わかれば連れて行ってよい』とおっしゃったのよ!」

 香菜がまるでその場に居合わせたかのように喋るのを、菖蒲の前は可笑しそうに聞いている。

 『いずれか菖蒲か杜若』

 機転のきいた和歌で急場を凌ぐとは、出世にはやはり武よりも文が必要なのだと改めて思う。まだまだ学び足りない。

 阿岐に逢いたい。先程素直にそう思った四郎だが、まだ何も手にしていない。帰るわけにはいかなかった。

「それにしても、北条の四郎君がこんなに立派になって」

 それはこちらの言葉だと言いたくなるが、相手は院の元女房で、鵺退治の英雄の妻。気安く顔も上げられない。

「ご縁があって宮中にあがり、このような身の上にはなりましたけれど、伊豆のことを忘れたことはありませんわ」

 姉やは、伊豆韮山の北条とは目と鼻の先の古奈の生まれ。評判の美人だった。

 どこかの貴族の縁の人とは聞いていたが素性はあまり知られず母と暮らしていた。生活に困窮していた母子を北条の祖父や父が援助していて、その縁でよく遊びに来ていた。だがその母も亡くなり、つてを辿って京に上がったらしい。

「北条の殿やお方様、三郎君……そう阿岐もお元気?」

 思いもかけず、その名が出たことに軽く動揺するが、四郎は微笑むと「おかげさまで」と答えて目を伏せた。

 

 その時、屋敷の空気が変わった。続いて何やら男の声が聞こえる。

「殿がお戻りのようですわ」

 香菜が慌てて立ち上がって場を整え始める。四郎も急ぎ立ち上がって下がった所へ、束帯姿の男が軽やかに現れた。

 

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