menu
閉じる
  1. 『アマカケル北条の姫 ―蛙姫― 』北条家血 お知らせ
  2. 竹御所、若紫源氏を拾う(鞠子と三寅)
  3. イザヤ!鎌倉「江間家の段」3(My wife’s mirror:吾妻鏡…
  4. いもうと(頼朝と政子)
  5. あづまがたり(頼朝と政子の出逢い)
  6. 『 とかじり小四郎 』北条義時物語
  7. 『 腑抜けの三郎 』 ―北条重時―
  8. 連載は3月で完結。4月いっぱいで下げます。<アマカケル>
  9. アワの夢『 北条政子の夢買物語 』
  10. 流鏑馬神事(海野幸氏と大姫・後編)
閉じる
閉じる
  1. 腑抜けの三郎―北条重時―15
  2. 腑抜けの三郎―北条重時―14
  3. 腑抜けの三郎―北条重時―13
  4. 腑抜けの三郎―北条重時―12
  5. 腑抜けの三郎―北条重時―11
  6. 『 腑抜けの三郎 』 ―北条重時―
  7. 腑抜けの三郎―北条重時―10
  8. B’zコンサート音漏れとAugustRush、安室奈美恵ラストライブ
  9. 腑抜けの三郎―北条重時―09
  10. 腑抜けの三郎―北条重時―08
閉じる

頼朝好き・北条数寄FanSite「あづまがたり」

琥珀の龍紋―北条時政―16<アマカケル外伝>

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 

「おお、これは来客とは失礼した」

 源頼政。やはり武人というには似つかわぬ、おっとりと細く柔らかな人物だと四郎は思った。和歌を詠んでいる方が似合う。鵺を退治したという話は、実はその家人の武に依るところが大きかったのではないだろうか。

 そんな失礼なことを考えながら低頭する四郎の上を、菖蒲の前の声が通っていく。

「昔、伊豆で母と私が大変お世話になった北条殿の次郎君ですわ。偶然お会いしてお招きしましたの。今は平宗親殿のお側にいらっしゃるそうで、殿はお見かけしたことがあるのではなくて?」

「平宗親殿のと申せば……。おお! ”伊豆の小天狗”とは、あなたのことですか」

 ”伊豆の小天狗”。四郎の裏の名だ。頭がきれそうに見えて意外に迂闊な人間かと、軽い苛立ちを覚える。

 菖蒲の前や香菜の様子をちらりと窺う。女は概してお喋りが多い。おまけに彼女達に四郎の身元は割れているのだ。

「いえ、お人違いでございます」

 四郎ははっきりと頭を上げて頼政を見た。それで気付いたか、頼政はごにょごにょと口の中で謝罪の言葉を転がし、「ああ、それよりも」と無理に話題を変えた。

「この暑さで、主上のお具合がいよいよよろしくないようで……」

 四郎はそっと目を伏せる。確かに帝がこの夏を越えられないだろうという噂は回っている。だが、院の近臣である頼政が口にしていい内容ではないはずだ。

「おいたわしい。院もさぞご心労の絶えないことでございましょう」

「実は呪詛ではないかとの噂もあって、方々に手を尽くされているようなのだが……」

「まぁ、恐ろしいこと」

 呪詛などと不穏な話題をはんなりと進める菖蒲の前と頼政の声を、四郎は聞いていないふりをして聞いていた。

 帝が崩御すれば、次の帝位をめぐって鳥羽院と崇徳院の争いになる。現時点で権力を握っているのは鳥羽院だが、その鳥羽院も既に五十を過ぎている。崇徳院は鳥羽院の死を手ぐすね引いて待っているに違いない。

 だから自分の死後のことを考えて鳥羽院も手を打つはず。つまり重仁親王が即位することはない。だがその時、その乳母である池禅尼や平清盛はどう動くのか。

 四郎はじっと押し黙りながら考えを廻らせていた。世がどう転ぶのかを。

 

次ページ

歴史小説リスト

関連記事

  1. 名こそ惜しけれ(頼朝と政子)3

  2. 琥珀の龍紋―北条時政―最終話<アマカケル外伝>

  3. 琥珀の龍紋―北条時政―4<アマカケル外伝>

  4. 琥珀の龍紋―北条時政―12<アマカケル外伝>

  5. とかじり小四郎 ―北条義時―6

  6. 『アマカケル北条の姫 ―蛙姫― 』北条家血 お知らせ

おすすめ記事

  1. 『 腑抜けの三郎 』 ―北条重時―
  2. イザヤ!鎌倉「江間家の段」3(My wife’s mirror:吾妻鏡・妄想誤訳)
  3. イザヤ!鎌倉「江間家の段」1(My wife’s mirror:吾妻鏡・妄想誤訳)
  4. 竹御所、若紫源氏を育てる(鞠子と三寅)
  5. 『アマカケル北条の姫 ―蛙姫― 』北条家血 お知らせ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Amazon 出版物(電子書籍)


捕えられ鎌倉へと送られた白拍子は、八幡宮での舞に呪をこめる。男児を殺され奥州を目指すも辿り着いたのは蝦夷だった。静御前の話。(中編)


木曾義仲の息子・義高が逃亡した。その身代わりとなって牢に繋がれた海野幸氏と、彼を助けようとする大姫の話。(短編)

ポチで応援おねがいします

にほんブログ村 歴史ブログへ にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
ブログランキング・にほんブログ村へ

おすすめ記事

  1. 腑抜けの三郎―北条重時―15
  2. 腑抜けの三郎―北条重時―14
  3. 腑抜けの三郎―北条重時―13
  4. 腑抜けの三郎―北条重時―12
  5. 腑抜けの三郎―北条重時―11
ページ上部へ戻る