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琥珀の龍紋―北条時政―21<アマカケル外伝>

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 ふと、何かの気配で目を覚ます。戸の隙間から漏れる光。

 もう明け方だろうか。起き上がった四郎は、誰かが気配を消して動いていることに気付き、そっと息を詰めた。板戸の隙間から外を覗き見る。

 そこにいたのは、兄と阿岐だった。

 空はまだ暗く、松明のあかりが小さく赤く辺りを照らしていた。兄は厩から馬を一頭引っ張ってきていて、これから出かける所のようだった。門の所で家人に声をかけ、阿岐を振り返る。

 その顔を見た四郎は、覗き見をしたことを後悔した。板戸から身を離す。

 堂々とした笑顔だった。

 思い知らされる。自分はどうやっても兄には敵わない。

 しばしして小さく去る馬の蹄の音と、そっと戻ってくる小さな足音。

 四郎は一つ深く息を吐くと立ち上がった。板戸を開ける。

 驚いた顔で立ちすくむ阿岐。そこに浮かぶ複雑な色に気付かない振りをして、四郎は何気ない風で口を開いた。

「何事だよ。起こされたぞ」

 欠伸混じりの声に安堵したのだろう。阿岐はほっと笑顔を見せると答えた。

「ごめんなさい。村で揉め事があって怪我人が出たからと殿が急ぎ呼ばれたの」

「相変わらず、水での揉め事か」

「そうね。今年は日照りで水が少なくて、殿もあちこち呼ばれて大変だわ」

 何気ない会話。だけど、気付いているだろうか。

「ふぅん。大変だな」

 縁にあぐらをかき、いつもそこでそうしていたように、両手を大きく後ろについて空を見上げる。阿岐もいつもそうしていたように隣に並んで腰掛けた。

「ねぇ、四郎はいつ京からこちらに戻ってくるの?」

「さぁな。俺が戻って来たら邪魔なだけだろ」

「そんなことないわ。殿が言ってたわよ。四郎は人の間に入るのが上手だから揉め事をいつも未然に防ぐんだって。もう京での任期はあけてるんでしょう? どうして帰ってこないの?」

 それには答えず、「ああ」と気づいたように上体を起こした。

「そうだ。お前、明け方は忙しいんだろ。渡したいものがあったんだ」

 部屋の中へと戻る。次いで、いつもと同じように付いてきた阿岐の口を塞ぐと、床へと押し倒した。

 
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