menu
閉じる
  1. イザヤ!鎌倉「江間家の段」1(My wife’s mirror:吾妻鏡…
  2. 連載は3月で完結。4月いっぱいで下げます。<アマカケル>
  3. 『アマカケル北条の姫 ―蛙姫― 』北条家血 お知らせ
  4. アワの夢『 北条政子の夢買物語 』
  5. いもうと(頼朝と政子)
  6. 竹御所、若紫源氏を拾う(鞠子と三寅)
  7. 『 とかじり小四郎 』北条義時物語
  8. イザヤ!鎌倉「江間家の段」3(My wife’s mirror:吾妻鏡…
  9. 竹御所、若紫源氏を育てる(鞠子と三寅)
  10. 流鏑馬神事(海野幸氏と大姫・後編)
閉じる
閉じる
  1. イザヤ!鎌倉「江間家の段」5(My wife’s mirror:吾妻鏡…
  2. 琥珀の龍紋―北条時政―あとがき<アマカケル外伝>
  3. イザヤ!鎌倉「江間家の段」4(My wife’s mirror:吾妻鏡…
  4. 琥珀の龍紋―北条時政―最終話<アマカケル外伝>
  5. 琥珀の龍紋―北条時政―41<アマカケル外伝>
  6. 琥珀の龍紋―北条時政―40<アマカケル外伝>
  7. イザヤ!鎌倉「江間家の段」3(My wife’s mirror:吾妻鏡…
  8. 琥珀の龍紋―北条時政―39<アマカケル外伝>
  9. 琥珀の龍紋―北条時政―38<アマカケル外伝>
  10. 琥珀の龍紋―北条時政―37<アマカケル外伝>
閉じる

頼朝好き・北条数寄FanSite「あづまがたり」

琥珀の龍紋―北条時政―27<アマカケル外伝>

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 

 辿り着いた鎌倉は、以前とは異なり京に劣らぬ殺伐とした空気に包まれていた。そのまま大蔵へと向かうことも考えたが、少し考えて四郎は敢えて義平の館を訪れた。

「またそなたか。さてさて、今度はどんな宣旨やら」

 左右に大きく口を引き結び、面白くなさそうな顔で四郎を見下ろす源義平に迎えられる。

 四郎は単刀直入に切り出した。

「義賢殿の男児の助命を許可いただきたくお願いに参りました」

 だが義平は憮然とした顔のまま、首を横に振った。

「それは出来ぬ。駒王丸は必ず見つけ出して殺すよう、父から厳命が出ている」

 感情を見せぬ声に、ちらりと源義平を見上げる。

 太郎のあどけない笑顔を思い出す。駒王丸はまだ二つ。太郎と変わらぬ年の男児。

 四郎の僅か咎めるような視線に気付いたのだろう。義平は軽く肩を竦めると口を開いて弁明を始めた。

「お前も武士ならば知っていよう。情けが後で身を滅ぼす。敗者はその場で処断せねば禍根が残る。子孫を守れぬ」

 自分の子だけが大事か。そう言い返そうと思った。

 だが、確かに四郎は知っていた。三浦も工藤も、武士達は……いや皇家も摂関家も、みな我が子大事さに他を顧みないことを。争いを辞さぬことを。

 四郎は言葉を呑み込み、静かに頭を下げた。

「承知しました。その旨、都に伝えます」

 館を辞してそのまま西へ戻ると見せかけ、夜半、月の明かりを頼りに街道を武蔵へ抜ける。

 今宵は観月。だが鎌倉には多数の兵がうろつき、十五夜の宴の支度ならぬ出陣の支度が整っていた。恐らく彼らはこの中秋の宴の明けた朝に大蔵を襲撃する予定なのだ。ならば、その前に子を逃がせばいい。

 確かに自分の子は可愛い。だがその為に他を蹂躙すれば、その代償は将来我が子が払わねばならぬ。そんな愚かな因縁はどこかで止めなくてはいけない。

 それは若さゆえの驕りだったかもしれない。だが四郎はただ太郎の顔を思い浮かべ、気高い理想を胸に街道を走り抜けた。

 四郎の読みの通り、翌朝早くに大蔵は襲撃された。秩父重隆、源義賢は討たれる。だが義賢の子の駒王丸は、攻め手であり秩父重隆の甥でもある畠山重能によって一時匿われ、源義朝の家人である斎藤実盛によって密かに信濃へと逃された。

 

次ページ

歴史小説リスト

関連記事

  1. とかじり小四郎 ―北条義時―22

  2. あづまがたり(頼朝と政子の出逢い)

  3. 北条政子の夢買物語 6

  4. 北条政子の夢買物語 34

  5. とかじり小四郎 ―北条義時―28

  6. 北条政子の夢買物語 30

おすすめ記事

  1. イザヤ!鎌倉「江間家の段」3(My wife’s mirror:吾妻鏡・妄想誤訳)
  2. イザヤ!鎌倉「江間家の段」1(My wife’s mirror:吾妻鏡・妄想誤訳)
  3. 竹御所、若紫源氏を育てる(鞠子と三寅)
  4. 『アマカケル北条の姫 ―蛙姫― 』北条家血 お知らせ
  5. 連載は3月で完結。4月いっぱいで下げます。<アマカケル>

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Amazon 出版物(電子書籍)


捕えられ鎌倉へと送られた白拍子は、八幡宮での舞に呪をこめる。男児を殺され奥州を目指すも辿り着いたのは蝦夷だった。静御前の話。(中編)


木曾義仲の息子・義高が逃亡した。その身代わりとなって牢に繋がれた海野幸氏と、彼を助けようとする大姫の話。(短編)

ポチで応援おねがいします

にほんブログ村 歴史ブログへ にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
ブログランキング・にほんブログ村へ

おすすめ記事

  1. イザヤ!鎌倉「江間家の段」5(My wife’s mirror:吾妻鏡・妄想誤訳)
  2. 琥珀の龍紋―北条時政―あとがき<アマカケル外伝>
  3. イザヤ!鎌倉「江間家の段」4(My wife’s mirror:吾妻鏡・妄想誤訳)
  4. 琥珀の龍紋―北条時政―最終話<アマカケル外伝>
  5. 琥珀の龍紋―北条時政―41<アマカケル外伝>
ページ上部へ戻る