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琥珀の龍紋―北条時政―36<アマカケル外伝>

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 血に染まって戻った四郎を父は激しく咎めた。

「何故、三郎を殺した。奥州へと逃さなかった。兄を殺すなど、お前の母が生きていたら何と言ったか」

 四郎の肩を足で蹴り倒す。助け起こしに来た乳兄弟もまた父に蹴り飛ばされた。

「お前のその利に敏く小賢しい所が赦せぬ。しばらく顔を見せるな」

 吐き棄てるように言って父は奥へと消えた。四郎は翌朝京へと向かった。

 だが京に着いた直後、源為朝が潜伏していた所を密告されて都に送られてくる。その無双ぶりから祟りを恐れられ、死罪ではなく伊豆大島への流刑と定められた。その監視役を狩野茂光が拝すこととなり、供を言いつかった四郎も伊豆に戻ることとなる。

 父の態度は強硬なままだった。

「こうなった以上お前に北条を継いで貰うが、忘れるな。お前は本来土地と家系を継ぐはずのなかった者。この先は北条の血を守り、それを第一と考えて生きよ。以降は大番以外で京に上ることは赦さぬ」

 もう父との間が戻ることは生涯ないだろうと悟る。四郎は黙って頭を下げた。

 北条の家督相続と同時に、寡婦となっていた阿岐を妻に娶るよう申し渡された。阿岐は一時的に阿多美に戻っているようだった。

 あれから一度も阿岐の顔を見ていない。兄と仲睦まじく前庭で笑っていた顔を思い出す。太郎の笑い声を思い出す。果たして、夫として父として受け入れて貰えるのか?

 四郎は恐る恐る顔を上げた。

「父上、阿岐殿と太郎君を迎えに阿多美へ行くことをお許しいただきたいのですが」

 婚儀の前に二人に会いたい。兄のことを伝えたい。赦されるとは思っていない。だが、その上でこれからのことを話したい。出来る限りの償いをしたい。四郎は祈りを込めて父を見上げた。だが……

「太郎は廃嫡した」

 素っ気ない父の言葉に愕然とする。

「阿多美への迎えも不要だ。当日まで、お前は北条から出ること赦さぬ」

 そのまま立ち去ろうとする父の足元に必死でくらいつく。

「お待ち下さい。どうして太郎を廃嫡する必要があるのです。父を亡くした子がその母に付いて継子となるのは良くある話」

 四郎が握った父の袴の裾が、その足の動きによって振り払われる。

「狩野殿の手前がある。そのまま嫡子にするなど赦されぬ」

 父は目線を下に向けたまま答えた。それから一つ息を継ぐ。床を弾く冷たい声。

「それに……太郎は三郎の子だ」

 その一言で、父も全て知っていたのだと知る。

 太郎は家人の子として放たれた。

 

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