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琥珀の龍紋―北条時政―3<アマカケル外伝>

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 荒く息を吐いて草の上に転がる。鼻腔をくすぐる草の匂い。口の中に広がる甘い香り。草の向こうに白く丸い身体。解放したその身体は月明かりの中、小さく震え痙攣しているようだった。

「阿岐?」

 名を呼ぶ。大丈夫か、と確認しようとした瞬間、彼女はびくりと一つ大きく震え、慌てたように起き上がった。

 遠くに投げ放たれた着物を手繰り寄せ、躰を隠そうとする。咄嗟に四郎は手を伸ばし制止させた。反射的に振り返った彼女の瞳は月明かりを反射して琥珀色に輝いていた。

「お前の目、すごく綺麗だ……」

 彼女の頬が真っ赤に染まるのが月明かりでもわかる。その熱が伝わって四郎の頭も沸騰した。慌てて首を回して背を向ける。

「いや、月が反射して光ってるからというか、その……」

 子供の頃からの付き合いで、誉めたことなど、こんな歯の浮くような言葉など口にしたことがなかった。気恥ずかしさと、越えてしまった一線と、乗り越えられたという安堵と、続ける言葉が見つからない。

 まだ足りない。もっと触れたい。何故今まで踏み越えなかったのか、欲さなかったのか。もう、この夜しか残されていない。

「四郎、どこか痛いの? 大丈夫?」

 じっと動かない男を不審に思ったか、こちらを窺い身じろぐ気配。答える言葉を見つけられず、でも何か言葉で伝えて残さねばならないと思いを巡らせた。

 が、それをどう思ったか不意に肩に指がかかる。

「ちょっと見せてみなさいよ」

 色気も素っ気もない普段通りの彼女。そのことに僅かほっとするが、同時にむっとする。この状況なのに、あくまでもこちらを子供扱いしようとするか。

 つい負けん気が働く。振り返りざま腕を大きく伸ばす。

「えっ、ちょっと?」

 身体を半分ほど覆い隠していた着物を剥ぎ取る。引っ張り返されるが所詮は女の力。負ける筈もない。

 たまらず立ち上がって逃げようとするのを逃さず草の上へと押し倒した。優位に立つ者の余裕から意地の悪い表情で口を開く。

「痛いのはそっちだろ」

 その瞬間、琥珀色の瞳が大きく見開かれた。

 

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