鎌倉時代を調べるのに、
とりあえず一回読んでおきたいのが「吾妻鏡」
後から北条氏が捏造したとか色々言われていますが
とりあえず何があったのか、誰がいたのかなど参考になります。
私は北条氏が大好きですが、捏造が無かったとは言いません。
歴史上考えてみれば、勝者が敗者の歴史を塗り替えるのは
当然あったことだし。
それによって、善の存在が悪になることなんざ当たり前。
それが良いとは言わないけれど、仕方ないのかな、と。
神話だって捏造だしね。
現代語訳・吾妻鏡の良い所
とにかく読みやすい!
原文は人物名が役職名に置き換わっちゃってるので
「一体誰のこと〜??」
ってなるのですが、
例:陸奥守(北条義時)
など丁寧に教えてくれます。
それから、各語に番号が振ってあって
後ろのページでその語に関する説明を懇切丁寧にしてくれています。
例えば
人物なら、何年生まれの何年没か、誰の子か。役職などなど。
地名なら、現在の何県何市のどのへんかなど。
このころ、○○年には○○は何歳でどこにいた、など。
親切過ぎる!
まぁ、だからって完全に正しい情報ではないのですが、
諸説あるものもあるし、歴史的におかしいのもあるし
でもとても参考になるのは間違いない。
現代語訳「吾妻鏡」の構成
全十六巻。
- 頼朝の挙兵(1180〜1182)
- 平氏滅亡(1184〜1185)
- 幕府と朝廷(1186〜1187)
- 奥州合戦(1188〜1189)
- 征夷大将軍(1190〜1192)
- 富士の巻狩(1193から1200)
- 頼家と実朝(1201〜1213)
- 承久の乱(1214〜1221)
- 執権政治(1222〜1230)
- 御成敗式目(1231〜1237)
- 将軍と執権(1238〜1244)
- 宝治合戦(1244〜1248)
- 親王将軍(1250〜1252)
- 得宗時頼(1253〜1257)
- 飢饉と新制(1258〜1261)
- 将軍追放(1263〜1266)
こうやってみると元寇の10年程前で終わってるんですね。
それに、幕府初期の1183年がなかったりとか
頼朝の死の前後数年がごっそり抜け落ちてたりとか
他にもちょこちょこ空きがあったりしますが
それでも他の資料と合わせて読めば、何とかなる。
が、各一冊が2000円以上します。
とても全部は買い切れないので、最初は図書館で借りていました。
で、延長したりしていたんですが
やっぱり次の予約が入ったりするので
どうしても必要な一巻をまずAmazonで買いました。
中古でも1000円以上しましたが、背に腹はかえられない。
それから本当は2巻と3巻が必要だったんですが、
Amazonさんには売ってないんですよ。
仕方なく、4巻5巻だけ買いました。
Amazonさん、2巻と3巻も仕入れてください、お願いします。
本当は承久の乱の8巻まで手元に欲しいんですが、
なかなか……ですね。頑張ります。
現代語訳・吾妻鏡を読んで思うこと
「晴れていたが、途中から豪雨となった」とか
「流鏑馬はいつもと同じだった」とか
「○○が参上して申した」とかの記述を見ると
とてもリアルで、彼らは本当に生きてたんだなと
御家人達の生活とか、御所の風景が見えてくるようで
ワクワクします。
また、単なる史実の羅列ではなく
「○○が申したので、将軍は特に感心して○○と申された」とか
「○○は今はその時とばかりに覚悟を決めて」なんて
心を表す文章はまるで物語で、妄想が広がるばかり。
「これをまとめてくれた人、ありがとう!」
としか言えません。
Amazonのレビューに、
「若い時は義経のファンで頼朝が嫌いだったけど、
この吾妻鏡を読んだら頼朝は他の武士や貴族たちと
ものすごい数の駆け引きをして、京や日本の治安を
直そうとしているのを知って、
やはり源頼朝は偉大な政治家だったんだと思うようになりました」
(適当抜粋ですみません)
とあって、
「そうそう! まさにそうなのよ!」
と拍手を送ってしまいました。
徳川家康も尊敬していた源頼朝!
豊臣秀吉が親近感を湧いていた頼朝!
やっぱりスゴイ人なのです!
機会があったら図書館で借りるなどして
鎌倉時代の武士というものを
身近に感じてもらえたら嬉しいなと思いました。
武士は武士でも、江戸の武士とは大違いなのが
私にはとっても魅力的なのです!!
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