先週の私にモノ申す。「甘い!」
「きりが正統派ヒロインになるわけない!」と。
きりちゃんは、しばらくは数カットのみの出番だと思ってました。
すえちゃんの面倒を見るだけの役だろうって。
甘かった。
彼女が、そんなに殊勝なわけがない。
早くも育児放棄して、赤ちゃん以上に泣いてました。
先週、普通に抱っこしてた彼女は何だったんですか。ツリですか!
しかし真田のお城の人、皆きりちゃんに優しいね。
ダメっ娘が普通に許容されてる。幼馴染みって強い。
真田家重臣の高梨さんの娘ってこともあるんでしょうね。
越後の春日山城に普通〜に現れて
普通〜に上洛に同行しちゃうきりちゃん。
「え? そこで脳天気に現れて、痴話喧嘩始める???」
……ってなタイミングで出て来ましたね。
景勝父ちゃん(年は、信繁の十二上なだけなんだけどね)の
仄か〜に嬉しそうな顔が笑えるし、
三十郎くんの「あーあ」ってな顔もステキ。
うん、彼はよく分かってるね。さすがは源二郎くんの近習。
そういえば、前に梅さんとの結婚が決まった時にも
「あれ? きりさんじゃないんですか?」(うろ覚え)
つって、佐助にパコーンって叩かれてたもんね。
その時、兼続は何を思ったか?
きりちゃん出現時の兼続さんの反応はよく見えませんでしたが、どうだったんでしょう?
この頃、兼ちゃんは既に船さんと結婚してて……というか、直江家に入り婿してたはず。長女の松姫が1歳の可愛い盛りだし、きりちゃんがいても利害は無さそうだし、信繁の恋バナなんて「勝手にすれば?」くらいだったのかな。
兼ちゃんは生涯側室を持たなかったことでも有名ですが、だからって奥さん一筋だったか? といえば、どちらかというと景勝さん一筋だった気がするけどね(BLではない!)。立場的に名家への入り婿だし、奥さんは年上だし、争うのは時間と体力気力の無駄だし、とか効率的に考えてそうです。
最初は「天地人」の妻夫木さん兼続のイメージが強くて多少違和感のあった村上兼ちゃんですが、後の関ヶ原開戦のきっかけとなる直江状の手厳しさと好戦的な文章を考えると村上さんの兼ちゃんの方が本物に近いのかもね。
けなされまくろうが、めげない「きり」
にしても、きりは劇中で本当に大事に扱われてますね(三谷さんやスタッフに)。
見事なまでの、けなされっぷりがたまらん。
源二郎に「付き纏われてる」とまで言われても「えへ〜」と笑い
石田の館にて「同じ部屋がいい」とあっけらかん。
同タイミングで源二郎に断固拒否されても、全く動じず。
最初の頃は、「源二郎様なんか好きじゃない」とか言ってたのに
もう隠すこともなく、その潔さがかえって見事(いや、ストーカー)。
源二郎がどう陥落するか、または力に任せるか(オイ)
これは見ものですね。
はい、もう正統派の脚本なんて期待してませんから、ガンガンやっちゃって下さい、三谷さん。
ミッチー(三成)にも、しっかりとコケにされるヒロイン
そして今回のメインは、山本氏の石田三成!
「あさが来た」で、「待たせたな!」(キラーン・「居眠り磐音」の半眼)で現れた時は、ノリノリつか悪ノリつか、大爆笑して、何度も再生して楽しませていただきましたが、さすがに今回は大真面目だね(当たり前)。
そんな大真面目なミッチーが、きりちゃんを物置部屋に案内し、
「ここ、人が寝泊まりする部屋じゃないですよね?」(うろ覚え)
の台詞を綺麗にスルーして平気で扉を閉める落としぶりに、また色々な愛を感じましたよ。
ミッチーはその後、虎(加藤清正)と仲良く話をしてましたね。
さすが幼馴染み。半ば呆れながらもちゃんと応対している姿に、鬼の副長と呼ばれる前の本来の世話焼きトシを想った人間は私だけではなかったはず。
にしても清正像って、大抵どの時代劇でも酒豪ですぐに寝ちゃう酒グセの悪い人間ですが、そういう文献でもあるんですかね?
そう言えば、兼ちゃんがミッチーのことを
「ああ見えて、熱い男よ」
と珍しく誉めて(?)ましたね。後の家康ハメに繋がっていくと思うと萌えますな。
そして、直後のきりちゃんの早口
「見えませんけどね(フン)」
が、また効いてる。
きっと兼ちゃんはその後、源二郎と顔を見合わせて苦笑しただろうねぇ。なんて妄想しちゃいます。
でも、何言っても許されるってのが気持ちいいね。
「大河ヒロイン」の女性像
どこかのサイトに「真田丸」は江戸時代に入る前の世相を割と忠実に再現している……みたいなことが書いてありましたが、確かに「鉄火起請」とか、各地の小大名の心理とか、村々の小競り合いとか、地に足がついてリアルな表現になってる気がします。それが、いわゆる大河っぽくない雰囲気を醸してるのかもしれませんね。
きりも「大河ヒロイン」っぽくないと言われますが、でも中世の武家の女性って、今、一般に浸透している姫君のイメージよりも、もっと強くて権力も発言力も持っていたのでは。
時代劇、時代小説の舞台となる江戸時代以降の武家女性の地位って、物凄く貶められていたように感じるんですよね。町民文化は別として。幕府が都合のいいように洗脳していたのでは、と。勿論、それによる利点もあったのでしょうけれど。
……なーんて考えても、きりちゃんの無茶苦茶さは常軌を逸してますけどね。喋ってる言葉もアレだし。
でも、きりちゃんが出て来ると画面が華やかになるんですよね。
あ、着物の色ってだけじゃないですよ。いきなり大河が異空間になるというか。コミカルになるというか。
そして、私の中に染み付いた「The 大河」の固定観念から感じる違和感が、回を追うごとに徐々に払拭されていく。
きりパパの高梨内記さんも、きりちゃんの前では軍議の時のお顔とは違ってますよね。
「源二郎様の妻に!」って狙ってるというよりは、きり可愛さに何でもしてあげる的なパパ馬鹿に見えてきます。
「新選組!」はそれでも結構真面目だった気がするんですけどね。でも、もう「別に、これでいいや」的に脳内浸食され始めているのを感じております。
きり、恐るべし。
これからも貴女のその超(ストーカー)能力で、私達を翻弄しちゃってください。頑張って付いて行くから。
信幸さん迷言、三連発&スルーされ夫
さて、今回の名ゼリフは、やっぱり信幸くんの
「大名でもない父上に、何故秀吉は……」
3連発で決まりでしょう。
そらぁ、大名じゃないことを密かに気にしてる昌幸さんに、「うるさいわ!」と一喝されますな。
勿論、真田の今後に繋がっていく伏線なんですが。
そして何気に奥さんには甘えっ子のお兄ちゃんが可愛かった。
小松姫とはどんな夫婦になるんでしょうか。
何気にスルーされながらの夫になるのは変わらなそうだけどね。
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