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とかじり小四郎 ―北条義時―23

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『 とかじり小四郎 ―北条義時― 』

 

「よぉ、義兄上。珍しい武器だな」

 声に振り返れば、畠山重忠が階段の上で腕を組んで立っていた。その後ろを見れば、案内したのだろう下女が下がっていくのが見える。訓練をしている時は誰も通すなと言ってあるのに。きっと重忠が強引に中へと進んだのだろう。小四郎はムッとした顔で重忠を睨む。だが、重忠は気にせずに続けた。

「その竹筒の穴の中から矢が飛び出すって仕掛けか。狩りの時の兎追い用か?」

 小四郎は手の中の仕込み杖を地に刺すと手ぬぐいを取って額の汗を拭う。息を整える。

「それとも何だ? 暗殺用か?」

 口の端を上げるだけの嘲笑うような笑み。小四郎は返事をせずに辺りを片付け始めた。

「待てよ。お前、いつもそれを腰に下げてるよな。変だと思ってたんだ」

 重忠は庭へと下りて小四郎がたった今当てたばかりの矢を的から引き抜く。

「随分と短い矢だな。こんなもので的を狙うとは女々しいと思わないのか」

 小四郎は重忠の手の中の矢を奪い戻すと、周囲に落ちた矢も全て回収して部屋へと上がる。重忠が庭から小四郎を振り返った。

「そんなものの腕を上げて一体どうするつもりだ? 闇討ちに役立てるつもりか? 誰を射るんだ? 上総か? 一条か? お前はいつもその筒を隠し持ってる。俺はお前の前にはけっして立たんぞ!」

 小四郎は全てを聞き流し、奥へと下がる。

「義時! 聞いたことにはきちんと答えろ!」

 声が追いかけて来るが、それでも小四郎は返事をしなかった。畠山重忠はいつも真っすぐだ。光の中が似合う。自分とは違う。それが羨ましいとは思わない。ただ悲しかった。

 

 政子が突然、体調を崩した。一一八一年十二月のこと。滅多にないことに大変な騒ぎとなった。だが、少ししてその騒ぎは歓喜へと変わる。

「ご懐妊でございます」

 姫の出産より三年経っての待ち望まれた懐妊に、次こそ鎌倉殿の嫡男に違いないと諸将が競ってその産所や乳母の役を得ようと頼朝や北条に擦り寄った。

 江間も無関係ではいられなかった。お祝いだと届けられる贈り物に小四郎はそっと溜息をつく。江間にいい顔をしても、小四郎には何の決定権もないのに。

 俄かに沸き立つお祝いの空気。様々な場所で祈祷やら神事が行われ、鶴岡八幡宮の前の参道も由比浦まで美しく真っすぐに整えられる。頼朝自らが石を持って汗して働き、当然諸将も揃って直垂を泥に汚し、笑顔でやり遂げた。鎌倉一丸となってのその大事業で御家人衆は団結を強めた。

 

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