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とかじり小四郎 ―北条義時―28

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『 とかじり小四郎 ―北条義時― 』

 

「金剛が私の子だと?」

 冷たく尖った声に小四郎は驚いて顔を上げた。政子も驚いた顔をしている。

「何をふざけたことを。冗談も大概にしてくれ」

 頼朝はつまらなそうに手元の文にまた目を落とした。政子が頼朝を睨みつける。

「今更しらばっくれる必要はないわよ。わかってるから」

 政子は金剛を抱え上げると大事そうに頬ずりをした。

「この子は私の手元で育てます。その許可を貰いに来たまでよ。あなたが自分の子とお認めにならないなら、それでもいいわ」

 そう言って立ち上がる政子に、頼朝は珍しく言葉だけではなく立ち上がって政子の肩を押さえ、行動で止めた。

「それはならぬ」

「どうしてよ」

「そなたが育てれば御家人達が割れる。それが分からないのか!」

「それが何だって言うのよ! じゃあ万寿を返してよ! あの子は私の子なのにどうして比企に取られないといけないのよ!」

「身分を考えろ。御台所が自ら子を育ててどうする。乳母の立場がないではないか!」

 その次の瞬間、政子が頼朝の足を思いっきり蹴り飛ばしていた。頼朝が短く呻いて踞る。

「もう嫌! 私は御台所なんて呼ばれたくない! あなたなんかと結婚するんじゃなかった! 鎌倉なんか来るんじゃなかった! 今日こそ離縁してちょうだい! 私は伊豆へ帰るわ」

 絶叫する政子。扉の向こう側、耳をそばだてているだろう女官達の気配を感じて小四郎は頬を引き攣らせる。

「そんなことを言っても、そなたが私に求婚したのだ。自分を妻にしろ、と。だから離縁はしない」

「何言ってるのよ? 私はあなたに求婚なんかしてないわ」

「いいや、蛭ヶ島から伊東へと移る日の朝、おまえは早起きをして私の元へ来て言った。自分を妻にしろと、伊東へ共に連れて行け、と」

「伊東? あなた、何の話をしているの?」

「そなたは十か十一、私は二十歳の頃、伊東に呼ばれて蛭ヶ島を離れたことがあった」

「それは……確かにあったけど」

「で、別れの時に誓った。妻にすると」

 政子が真っ赤な顔になる。思い出したのだろう。いや、覚えてはいたのだろうが、きちんと自覚をしたのだろう。自分の気持ちも、頼朝の気持ちも。

「ちょっと待ってよ。それは子供の頃の話でしょう? 冗談よ」

「いや、冗談という顔ではなかった。だから私にとって妻はそなた一人だ」

 

 「あーあ」と小四郎は溜息をついた。とんだ修羅場だ。子供に見せるようなものではない。

 小四郎は腕を伸ばす。二人の間に挟まれてキョトンとしていた金剛を抱き上げた。

「しょんねぇな」

 そう呟けば、ギョッとしたような顔で二人が小四郎を見る。小四郎は軽く頭を下げると踵を返した。

「小四郎!」

 政子の鋭い声に、金剛がビクッと身体を震わせる。そして次の瞬間、

「わぁああああん!」

 今まで機嫌良くしていたのが嘘のように泣き始めた。

 

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