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とかじり小四郎 ―北条義時―29

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『 とかじり小四郎 ―北条義時― 』

 

 行け、と頼朝が顎をしゃくるのが見えて、小四郎は再度頭を小さく下げると歩き出した。

「ごまかさないでよ!」

 背中から聞こえた政子の声は鼻声になっていた。金剛の涙に釣られたのだろうか。

「ごまかしてなどいない。あの時、そなたは私に求婚した。だから蛭ヶ島に戻った私はそなたに求婚し直したのだ」

「だ、だって、私は……」

「そなたが誰を愛していようと私は気にならぬ。そなたの全てを愛そう」

 夫婦の修羅場は続いているが、小四郎はもう気にしなかった。

 大声で泣く金剛の背をトントンと軽く叩いてあやしながら回廊を真っすぐ歩く。金剛の泣き声に驚いた女官達や警護の者達が顔を出すが、小四郎は構わずにその前を通り抜けた。

「しょんねぇ、しょんねぇ」

 あやす小四郎の手に合わせるように金剛は真っ赤な顔をして泣き叫ぶ。でも身を反らせるのでなく、小四郎にしがみつくようにして泣くのが猿の子のようで小四郎には愛おしく感じられた。

「ああ、しょんねぇ、しょんねぇ」 

 頼朝はこの子を自分の子と認めない。小四郎の子として育てるしかない。

「しょんねぇ、しょんねぇ」

 血の繋がらない子を育てるのか。父・時政が宗時を育てたように? いつか殺し合いをすることになりはしないか?

「しょんねぇ、しょんねぇ」

 それもしょんねぇ。だが自分は父とは違う。だからきっと違う二人になれるだろう。

 

 普段ほとんど声を出すことのない小四郎が「しょんねぇ、しょんねぇ」と呟きながら、泣く子供を抱いてあやして御所を退出する姿は様々な噂を生んだ。

 以降「しょんねぇの江間殿」と陰で呼ばれることになるのだが、噂話にまるで縁のない小四郎はしばらくそれに気付かないままだった。

 

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