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とかじり小四郎 ―北条義時―33

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『 とかじり小四郎 ―北条義時― 』

 

 その日、小四郎はいつもの通り、番の台帳をつけていた。その傍らには裁判の資料がうずたかく積まれていた。

「江間殿」

 真朝が扉の向こうからこっそりと中を窺っていた。部屋に他に誰もいないのを確認すると、こっそり忍び込んでくる。

「あのね、お願いがあって来たの。江間殿……いえ、小四郎兄ぃ、私に文を送ってくれない?」

 唐突な言葉に小四郎は眉を上げた。

「えーと、実はね。今しつこい男に言い寄られて困っているの。それでね、御所様の一番のお気に入りの江間殿が文を送ってるとなったら、きっと諦めると思うから」

 文を送る。それは求婚行為と同じ。今、この時期にそれをやることは小四郎にとっては危険が伴った。

「お願い! 一文字だけでもいいから!」

 真朝は手をパンと合わせて頭を下げた。

 真朝は御所の女官の間では『姫の前』と呼ばれていた。頼朝がそう名付けたのだと聞く。頼朝の一番のお気に入りだと聞いた。

 小四郎は、立場上、色々な人にお願いをされることが多かった。

 御家人同士が喧嘩をして頼朝の機嫌を損ねる。すると彼らは小四郎の所にやってきて頼朝への取りなしを頼む。『頼まれれば断らない男』。小四郎はそうも言われていた。

 だが実際は断ることも多くあった。確実に頼朝の勘気を蒙って、弁解の余地がない時などだ。

 頼朝が怒る時には二種類がある。許すつもりがあるが後々の為に怒ってみせる場合が一つ。そしてもう一つは、彼の施策に完全に反していて許す予断のない場合。これは間に入ってもとばっちりを受けるだけだ。

 許すつもりがある場合にのみ、その流れを澱みなく流す為に小四郎が間に入る。頼朝の考えを確実に読み、影になって支えることが今の小四郎の役となっていた。

 だから小四郎にはわかった。真朝は嘘をついている。

 恐らく、頼朝に命令されて小四郎に近付いたのだろう。真朝は比企の娘。北条と比企は今、互いに鎌倉殿の姻戚として力を伸ばしている。だが、元々どちらも地元に基盤を持つ有力御家人というわけではない。その分、頼朝への忠誠は強い。

 今後、北条と比企が力を合わせて鎌倉を支える柱となる為に、小四郎と真朝を妻合わせるつもりなのだ。

 だが、時政は比企を警戒していた。表向きは仲良く振る舞っているが、その腹の中では次代のことを考えている。いや、次代どころか頼朝を廃することまで考えているのだ。言葉には出さないが。

 当然、頼朝はそんな時政の野心を知っていたが、でも舅に対して直接手を下すまではいっていなかった。そして小四郎は、そんな頼朝と時政のちょうど間にいた。

 

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