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頼朝・北条好きFanSite「あづまがたり」

腑抜けの三郎―北条重時―35

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 それから少し経った二月、事は起きた。信濃の泉親衡が頼家の遺児を旗印に北条打倒を画策したのだ。陰謀に加担したと捕縛された中に和田義盛の息子二人と甥がいた。義盛は将軍に息子達の赦免を願い出る。和田が侍所の別当で開幕以来の功績があることを理由に実朝は許す。だがそれは実朝が審議もせずに行った赦免。義時は実朝に苦言を呈する。

「そのような理由で和田だけを赦しては、他の御家人に示しがつきません」

 和田は武勇高く、北条への不満を隠しもしない剛胆な氏族。その時、反北条の筆頭ともなっていた。その和田の離反を決定づけたのは、義盛の甥・胤長への処罰だった。

「息子二人は許されたのに、甥の胤長は許されぬとは一体どういうことだ!」

 義盛は憤慨する。甥は恩赦の対象外であり、また陰謀の張本人である為とされた。

「胤長が陰謀の張本など、よくも出鱈目を」

義盛はすぐさま一族郎党全てに声をかける。

「我ら一丸となり胤長の助命を嘆願する!」

 和田に三浦も含めた九十八人が御所へ詰めかける。鎌倉内外は大変な騒ぎとなった。

「甥の胤長も、息子同様ご赦免いただきたく一族上げて御所様に言上に参った!」

 だが北条義時はそれを突っぱねる。

「胤長は謀反の張本ゆえ恩赦は与えられぬ」

「胤長が張本などと一体誰が言った」

「取り調べの結果だ」

「そんなのは嘘だ! でっちあげだ!」

「冤罪だ! 北条の企みであろう!」

 和田の男達が口々に叫ぶ。

「胤長を見せしめにするつもりか! 返せ! 胤長を今すぐに返せ!」

 鎌倉の中でも勇猛と恐れられる和田の男達の怒号が御所を揺らす。義盛が口を開いた。

「北条殿、退がられよ! 我らはそなたではなく御所様に申し上げておるのだ!」

 義時は、義盛としかと目を合わせる。

「これは、御所様のご意向である」

 実朝はそこにいた。だが黙したまま。先に行った赦免をきつく叱責されていたからだ。義時は南庭の奥に向かって声を上げる。

「謀反人、和田胤長を判官に引き渡せ!」

 義盛達は足音のする方を振り返り、顔を蒼白にした。後ろ手に縛られた胤長が北条の家人に追い立てられて無惨な姿で現れたのだ。

「何という恥辱! これは御所様のお沙汰ではない! 義時や広元らの策謀だ!」

「あいつらは昔から和田を虚仮にして来た! もう我慢ならん! 相模は代々三浦のもの! 今こそ目に物見せてくれるわ!」

 和田はぴたりと出仕を止める。無言の抗議だった。同時に戦準備を開始する。北条も準備を開始した。今回の謀反の規模は余りに大きく、和田は余りに強硬だった。和田を抑えなければ今後の幕政は立ち行かない。今回の胤長の件は、義時の覚悟の上の挑発だった。

 

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