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腑抜けの三郎―北条重時―47

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「朝時兄がいない……?」

 京への途上。富士に着いた重時は驚いた。兄に話を通しておこうと立ち寄ったのに、蟄居していた筈の朝時がいなかったのだ。

「はい。『和田との戦が間近だから馳せ参じよ』と殿のお赦しが出まして、急ぎ鎌倉に戻られました」

 家人の言葉に、重時は唇を噛みしめる。

 鎌倉を出る日、父・義時は文を手渡して重時に言ったのだ。

「和田との戦を止めたい。京の三善殿の所に使いに立ってくれないか?」

 なのに朝時は鎌倉に呼び戻すなんて。あの言葉は嘘だったのか。

 だが、それで合点がいく。父は東山道を行けと言った。重時が朝時に会うのを阻止したかったのだろう。

 でも重時はもう以前の腑抜けではなかった。言いつけを破って兄に会いに東海道を行き、父の真意を知る。和田との戦が始まるのだ。

 重時は喉を鳴らした。手が震える。血の赤が見えるようで強く目を瞑る。今、鎌倉に戻れば血を見ずには済まされないだろう。その覚悟は出来ているのか。

 でも行くしかなかった。鎌倉には音がいるのだ。

 

 五月二日、和田一族は翌日に控えた決戦の準備をしていた。朝から異様にざわめく武者達の声、大量に運び込まれる武具、馬、食料。ガチャガチャとうるさく響く具足の音。

 和田館の隣に屋敷を構えていた八田氏は、慌てて幕府の参謀である中原広元へと異常を報告する。広元はすぐに御所に参内した。

 同時刻、碁の会を開いていた北条義時の元へ三浦義村が翌日の挙兵を密告しに訪れる。義村は加えて先陣として同族と刃を交える覚悟の程を告げた。義時はその言葉を黙って聞き、「そうか」とだけ呟くと、すぐに御所へと参内した。

 御所では、広元が義時を待っていた。

「義時、やっと和田が起ったな」

 そう言って、冷静に辺りを見回す。

「将軍はこちらにあるが、御所の警護が手薄だ。次の手を考えておかねば」

「和田は将軍のお命を狙うでしょうか?」

 義時の問いに広元は難しい顔をした。

「有り得るな。巻き添えにして殺すつもりは多分にあるだろう。頼家公の遺児を将軍に立てれば大義名分は整うからな」

「では、八幡宮にお移し申し上げるか」

 それに対し、広元は首を横に振った。

「いや、将軍はこちらへ。まずは尼御台様と御台様をお移ししよう」

 

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