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腑抜けの三郎―北条重時―64

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 その夜、義母の伊賀の方が重時の別当就任に異を唱える。

 伊賀の方の剣幕は凄かった。
「どうして長く鎌倉を離れていた重時殿が別当なのです? 政村の方が適任です!」

「重時は京に長く暮らし、京の習慣や風習に詳しい。三寅様の養育係として適任だ」
「それならば政村にも京の決まり事など教え込んであります。政村だって不足ない。重時殿、あなたもそう思われるでしょう?」
 鬼のような形相で詰め寄られ、重時は額を床に付けんばかりに頭を下げる。
「はい。義母上のおっしゃる通りです」

 やった。これで重責から逃げられる。ほっとしかけた重時の前で、珍しく義時が声を荒げた。
「重時は黙っていろ!」
 しかし伊賀の方は負けずに食い下がる。
「三寅殿の養育であれば、尚のこと歳の近い政村の方が適任のはず。承知しかねます!」

「養育だけではない。小侍所に詰める者の宿直の采配から、食事、衣服、様々な習慣の躾。また京からの新しい陰陽師と既存の陰陽師達の間の調整も必要だ」
「それとて、重時殿よりは政村の方が幕府内の繋がりが強いではないですか!」
 伊賀の方が強気で押している。重時は黙って頭を下げたまま、こっそり伊賀の方の応援をしていた。どうかどうか無事に政村に役がまわりますように。

 その時、その政村が穏やかな顔で口を挟んだ。
「母上、やっぱり重時兄が適任ですよ」
 重時はブルブルと首を横に振ると政村に目で必死に訴えた。いやいや、そんなこと言わずに引き受けてくれ、と。でも政村はそっと重時に近寄ると丁寧に深く頭を下げる。
「兄上、別当ご就任、誠におめでとうございます。私は重時兄の補佐を精一杯努めさせていただきます。どうか何でもお申し付けくださいますよう」
「政村!」
 伊賀の方が強く咎めるが、政村はまるで聞こえないようににこにこと微笑んだ。
 その顔はまるで仏のように穏やかで、何の気負いもなく涼やかで、重時はこっそりと思う。伊賀の方の息子なのに、あんまり似てないなぁ、と。
 しかし、おかげで重時は逃げられなくなった。
 そして勤め人としてのめまぐるしい毎日が始まる。

 

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