タグ:北条義時
体調が少し良くなった時にカクヨムで北条義時の妻、姫の前の連載を開始しました。本当は女頼朝を再開しようとと思ったんですが、今ちょっと難しそうなので一応完成してる方を打ち込み直しながら定期更新しております。…
その夜、義母の伊賀の方が重時の別当就任に異を唱える。 伊賀の方の剣幕は凄かった。「どうして長く鎌倉を離れていた重時殿が別当なのです? 政村の方が適任です!」「重時は京…
「小侍所? 何ですか? それ」 重時は目を瞬かせて父の顔を見た。「小侍所は三寅君専従の御家人だ。有力氏族の子弟を中心とする。その長に就任せよ」 重時はちらと義時を仰ぎ見…
『 腑抜けの三郎 』 ―北条重時― 目次第一章「江島の辯才天」01 02 03 04 05 06 第二章「海賊の守り主 龍女オトヒメ」07…
その頃まさに御所の南門前では、馬に騎乗した義秀が御所内に攻め入らんとしていた。「我こそ朝夷奈義秀! 傍若無人の義時の所業を諌める為に起った。将軍をたぶらかし権威を欲しいままにする…
その頃、和田館は騒然としていた。「挙兵が北条に漏れたやもしれません!」 危急を知らせる男の声に場は一気に殺気立つ。御所の偵察に立っていた男は膝をつき義盛の顔を見上げると、…
「朝時兄がいない……?」 京への途上。富士に着いた重時は驚いた。兄に話を通しておこうと立ち寄ったのに、蟄居していた筈の朝時がいなかったのだ。「はい。『和田との戦が間近だから…
それから少し経った二月、事は起きた。信濃の泉親衡が頼家の遺児を旗印に北条打倒を画策したのだ。陰謀に加担したと捕縛された中に和田義盛の息子二人と甥がいた。義盛は将軍に息子達の赦免を願い出る…
「朝時は伊賀の方とうまくいっているの?」 そっと囁くような辺りを窺うような声。三郎はおずおずと小さく首を縦にふる。「はい。兄はあの通り屈託のない性格で、誰とでもすぐに打ち解…
「まぁ、お上手に書けたこと」 優しい母の声に、三郎は筆を握ったまま得意げな顔で振り返った。 館を抜け出した翌朝、次郎と三郎の二人は、由比の浦に小船で揺られている所を漁師に発…