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「江間家の段」出演:江間小四郎(北条義時)、真朝(姫の前)、畠山重忠、源頼朝、北条政子(キャラは拙著「とかじり小四郎」より)ー その4 ー ……が、飛び出た途端に、嫌な…
「はぁ? 義時が花嫁を馬に乗せて逃亡した?」 素っ頓狂な声を上げた頼朝に、ぶっと噴き出す石和五郎。「あの、しんねりむっつりめ、随分と面白いことをするじゃないか」 その横で畠山重忠が呟いた。…
だんまり、腑抜け、しんねりむっつり。 北条家の次男、小四郎義時は「しょんない」が口癖の、いつもどこかに「とかじった」男だった。 二代執権・北条義時の若かりし頃の話。
「よぉ、義兄上。珍しい武器だな」 声に振り返れば、畠山重忠が階段の上で腕を組んで立っていた。その後ろを見れば、案内したのだろう下女が下がっていくのが見える。訓練をしている時は誰も通すなと言ってあるのに。き…
パチリ。パチリ。 碁石が盤を叩く音が静かな部屋に響く。小四郎はわからないようにこっそりと微笑んだ。 この音が好きだ。静かな風が流れるのも。多数の人間が小さな盤を二重三重に囲み覗き込みながら無言で…
「え? 白藤を返せって?」 詰め所。あからさまに不機嫌な顔をした畠山重忠が小四郎を睨む。小四郎も黙って重忠を睨み返した。重忠は憮然とした顔で言い切った。「負け戦だろうが何だろうが、一度手放したお前…
その後はめまぐるしく時が流れた。平清盛が死に、木曾義仲が起ち、西国は飢饉に襲われ、京は荒れた。 逆に東国は好天に恵まれ、稲はよく育ち、頼朝の味方は日を追って増え、鎌倉の町は新しく美しく整えられた。…
東国の武士団の中で、三浦や千葉は味方となる公算が高かったが、それ以外の大庭や梶原などは清盛方に呑み込まれていた。比企と小山には頼朝の乳母がいて、河越は比企の尼の娘が嫁いでいる。武田、足利、新田、佐竹は源氏で…